今晩は友人の家で夕食をごちそうになりにいきました。
クエストを一緒に漕いだこがいさんといきましたが、一番盛り上がったのが”幻覚”のお話。
普段では見ないものも、レースの最後の段階になると不思議と見えてくるのでおもしろいものです。
意識はしっかりとしているのですが、目に入るものが様々な形に見えてきます。
何でもない崖の横を走っているときに一番よくみました。

<最終日の午前3時。崖が様々な形に見える>
ちなみに僕が見えたものといえば。。。
ー様々な人の顔
ークレオパトラ
ー先住民
ーギリシャ人
ー水を飲む馬
ー水を飲むイノシシ
ー人の顔の上に座るフクロウ。帽子まで被っていました。
ー白人の釣り人
ー岸にもたれかかるカウボーイ
などなど
ゴッホなどの少し感覚のずれた芸術家を思い出したのですが、彼らが見ていたものはこれに近かったのかもしれません。
昔の修行僧やインディアンのビジョンクエストの話も思い出しましたが、
この状態をわざと誘発して意識を別の次元に持っていったのだと思います。
偶然レースで少しばかり誘発された今回でしたが、他の協議参加者の多くも似たような経験をしていました。
自分だけがおかしくなっていたのではなかったようです。。。
こうしてレースを終えてみると、夢のような出来事でした。
他のトレーニングをしっかり積んだ真剣なレーサーに比べると、さほど練習もせずに出た”なんちゃってチーム”感がありましたが、素人チームでも完走ぐらいはできるものですね。
雨が降らなかったとこともあり、運も見方についてくれました。
再び出場するかは疑問ですが、出るのであれば8人前後の集団で漕ぐ”ボイジャー”がカヤックで出てみたいものですね。ボートの機能や人の数が違うので、また全然違った経験になるはずです。
今回はカヌーのStern側(後ろ側で、一般的に主にボートコントロール、水や風の状況判断などを担当)で漕ぎましたが、役割や漕ぎ方の違うBow側(前側で、一般的に主に馬力、コース取り、前方危険回避などを担当)でもやってみてもおもしろいはずです。
ソロで出ると孤独との闘いかもしれませんが、すべて自分に意識を集中するため全く違った体験になるかもしれません。
リバークエストレースといえども、様々なスタイルと要素があるのだとわかりはじめたところです。
ボランティアでサポートにまわるのも、素晴らしい体験になるのだと思います。いつかはやってみたいですね。
もともと速さや耐久力を競うレースに出る性分や忍耐力がある訳ではありませんでしたが、
(今でもゆっくりとした原野の旅のほうがよっぽど楽しく好きです。)今回のレースは出場して本当に良かったです。
ボランティアやスタッフの方たち、他の参加者の情熱や協力、優しさが一番身に沁みました。
ユーコンの大自然ももちろん魅力ですが、つまるところは人間の魅力が一番です。
この大きな自然あってこその人たちがいて、人があってこそ輝く極北の自然です。
ユーコンに帰ってきてよかった。
レースを終えて、初めて心からそう思うことができました。
theme : カヌー、カヤック
genre : 写真