山小屋、遂に完成
やっと、やっと完成しました!
山小屋ついに完成です。こう書いていても、なかなか信じられないですね。
<外から眺めた山小屋>
雪解け直後の5月中旬に始めて、延べ約7ヶ月。
当初は7月中旬に終わる予定で、その次は10月半ばに終わる予定でした。
それがもう寒い冬を迎えてしまうことに。
それでもようやく完成しました。
仕事の合間に時間を見つけて、ついでに写真展なんかもやって、ないお金と技術と知恵を搾り出して、
人に助けてもらってようやく終えることができました。
ここでやっと久々に一息つけそうです。
<2度目の床塗りがほぼ乾き、今日の午後引越しへ。荷物を多く移しました。>
家を建ててみたい。
もともとそういう欲求はあったのでしょう。
大学終り頃から自給自足的な暮らしに憧れていましたが、
その頃に「100万円で家を建てる」なんて本も買っていました。(今回のはそんなにかかっていませんよ。)
もっと遡ると、母親方のおじいちゃんが実家の家を手作りしたという話を聞かされていました。
小さかった当時は、「大工でもないのに、どうして家が建てれるの?」と不思議がったものです。
大学卒業し、努めた動物保護団体で基本的な工具の使い方を独学し、そしてカナダやアラスカでも自分で家を補修したりするのを時折手伝ってきました。
でも自分がやるとなると、話は全然違います。
建てたいと思い出したのが、去年の暮れ頃。
大家さんに相談してみると、工具は貸してくれ、どこにでも建てていいよというお話。
そこからあちこちにアンテナを広げて、釧路から廃材、十勝から窓などといろんなところからリサイクル品を集めてきました。
そしてないお金で工事が遅れながらも、お金が手に入ると次の材料を買い足していった感じです。
<急な階段の下に作ったもの書きコーナー。棚もつけました。>
最初はほぼ一人で全てをやっていましたが、途中からFさんご夫妻とKちゃんがチームに加わってくれ、
ほぼ毎週のようにボランティアで手伝いにきてくれました。
そしてたまに手伝ってくれる多くの人がいて、たくさんの人の手が入った小屋となりました。
基礎からフレームを作るのが一番大変で、そこで何度も書き直した図面をみて、紹介してもらった建材屋さんに通いながら、木材を買い足していきました。
一度フレームができると後は早いと思っていましたが、とんでもない勘違い。
そこから断熱、石膏ボード、床、キッチン作り、暖炉作り、排水パイプづくり、野外トイレ作り、パテ塗り、珪藻土塗り。。。細かい作業のオンパレードでした。
素人なりにたくさんのミスも犯しました。何度釘を抜いたことでしょう。
プロの大工さんが作るものと、素人の作るものでは全然ものが違う。
それが今回でよく分かりました。
と同時に、素人でも結構なところまではできるものだということも実感できましたよ。
<薪ストーブにレンガに薪置き。寒い冬をパチパチ音を立てながら暖めてくれます。>
素人が作る家にどんな意味があるんでしょう?
人間衣食住がなければ生きていけませんが、いざとなった時に一番お金のかかる家を作れると知っただけでも、将来を考える上でかなり心が軽くなります。(もう小屋&家作りは当分はやりません。精神的な休憩が必要です。)
それに伴って、そして今回や山を削ったという反省も踏まえて、太陽の動き、風の流れ、水のありがたさなど、自然の要素やその土地に対する考え方の勉強にもなりました。
おそらく将来家は買うことにもなると思います。自分で手を加えて建てるとしても、一番難しい基礎と本体の骨組みやプロに頼む(ハーフビルド)ことを選ぶはずです。一から全部、プロの手無しでは作業が多すぎて、技術的にも時間的にも余裕ができません。それだけ分かっただけでも、今回の大きな収穫かなと思います。
そして今回の経験で、いろいろと道具の使い方も覚え、建物を作るうえでの知恵の出し方も学びました。
この経験が、将来極北の地で生きていき、そして自然の中で過ごす上で必ずや役に立つはずです。
あの土地では、街の外に生活をしたり、自然の中に入っていくこと(写真撮影も含まれます。)に、多くの技術や判断力、知恵が求められます。道具が壊れた時にどう自分で直すかなど、基本的に自立してある程度のことができないと生死を分けることが起こりうる土地です。
そして一番分かったことは、やはり仲間は必要で、素晴らしい財産だということ。
僕の好きな本(後に映画化)で「Into the Wild」がありますが、若い青年がアラスカの原野で自給自足を夢見て一人で入り、結局死んでしまった話です。人は人なしでは生きられませんし、そして何より周りの人がいて成り立っている暮らしです。そして人には自然が必要なように、文明もまた必要なもの。便利な生活が必要な一方で、よりよいバランスを保ちながら生きていくには、どうしたらいいんでしょうね?各人によって答えは違いますし、一人一人が違った答えを出していくものだと思います。僕自身はどうでしょう?どのように生きていきたいのでしょうか?世の中は自然保護や環境運動のメッセージで溢れていますが、正直言って個人的にはそれほど興味がありません。(必要とは思いますが、自分自身の生活もままならず、矛盾を感じてしまうため。)それでも、どこかで矛盾を抱えながらも、ある程度自然とのバランスを保ちながら、体を使って自然に近いところで暮らしていけたらと思います。そこには自分で食べるものを、少しは作ること。家に自ら手を加えること。原野で野生動物と過ごすこと。日本の子供達や大人たちと極北のフィールドで一緒に過ごすことなど、極北の地でやりたいことが山ほどあります。
<本棚も手作りです。写真関係の本と自然関係の本で溢れています。玄関との敷居にはFさん手作りのカーテン。冷気を遮断してくれます。>
この山小屋どうするの?
そうよく聞かれます。来年はユーコンへ移住する年。(今せっせと書類を集めている最終段階です。今月半ばにはカナダ政府に申請書類を提出予定です。)
ここにいたらいいのに。と大家さんもいってくれますが、やはり将来のビジョンはカナダのユーコンにあります。この土地も最高にいいところですが、やりたいことが向こうにいっぱいあって、困ったものです。
それでもやっぱり日本人。定期的には日本に帰ってくる予定ですし、将来この鶴居村に毎年しばらく帰ってこれる場所にしたい。そう思って建てました。本人も何故建てているのか正直わからないことが多いのですが、建てなければいけない直感がずっとありました。おそらく将来もっとクリアーになっていくと思いますし、この場所で何か面白いプログラムが生まれるかもしれません。それよりなにより、今年の冬と来年の春をここで過ごす予定です。その間にここを関わってくれた人との交流の拠点にしたいですし、親子自然教室の体験教室にも使う予定でいます。
<コアメンバーで、終了記念撮影>
長くなってしまいましたね。そろそろ切り上げる時間です。
手伝ってくれた方々、本当にありがとうございました。
ブログで様子を追っていてくれた方々、ようやくできました。
これからはもっと山小屋以外の記事を書く時間、写真を撮る時間が作れそうです。
こちらに様子を見に来たいという特異な方は、メールをください。ご案内しますよ。
それでは、山小屋建設「終了宣言」致します。
長い間お付き合い、ありがとうございました!
山小屋ついに完成です。こう書いていても、なかなか信じられないですね。
<外から眺めた山小屋>
雪解け直後の5月中旬に始めて、延べ約7ヶ月。
当初は7月中旬に終わる予定で、その次は10月半ばに終わる予定でした。
それがもう寒い冬を迎えてしまうことに。
それでもようやく完成しました。
仕事の合間に時間を見つけて、ついでに写真展なんかもやって、ないお金と技術と知恵を搾り出して、
人に助けてもらってようやく終えることができました。
ここでやっと久々に一息つけそうです。
<2度目の床塗りがほぼ乾き、今日の午後引越しへ。荷物を多く移しました。>
家を建ててみたい。
もともとそういう欲求はあったのでしょう。
大学終り頃から自給自足的な暮らしに憧れていましたが、
その頃に「100万円で家を建てる」なんて本も買っていました。(今回のはそんなにかかっていませんよ。)
もっと遡ると、母親方のおじいちゃんが実家の家を手作りしたという話を聞かされていました。
小さかった当時は、「大工でもないのに、どうして家が建てれるの?」と不思議がったものです。
大学卒業し、努めた動物保護団体で基本的な工具の使い方を独学し、そしてカナダやアラスカでも自分で家を補修したりするのを時折手伝ってきました。
でも自分がやるとなると、話は全然違います。
建てたいと思い出したのが、去年の暮れ頃。
大家さんに相談してみると、工具は貸してくれ、どこにでも建てていいよというお話。
そこからあちこちにアンテナを広げて、釧路から廃材、十勝から窓などといろんなところからリサイクル品を集めてきました。
そしてないお金で工事が遅れながらも、お金が手に入ると次の材料を買い足していった感じです。
<急な階段の下に作ったもの書きコーナー。棚もつけました。>
最初はほぼ一人で全てをやっていましたが、途中からFさんご夫妻とKちゃんがチームに加わってくれ、
ほぼ毎週のようにボランティアで手伝いにきてくれました。
そしてたまに手伝ってくれる多くの人がいて、たくさんの人の手が入った小屋となりました。
基礎からフレームを作るのが一番大変で、そこで何度も書き直した図面をみて、紹介してもらった建材屋さんに通いながら、木材を買い足していきました。
一度フレームができると後は早いと思っていましたが、とんでもない勘違い。
そこから断熱、石膏ボード、床、キッチン作り、暖炉作り、排水パイプづくり、野外トイレ作り、パテ塗り、珪藻土塗り。。。細かい作業のオンパレードでした。
素人なりにたくさんのミスも犯しました。何度釘を抜いたことでしょう。
プロの大工さんが作るものと、素人の作るものでは全然ものが違う。
それが今回でよく分かりました。
と同時に、素人でも結構なところまではできるものだということも実感できましたよ。
<薪ストーブにレンガに薪置き。寒い冬をパチパチ音を立てながら暖めてくれます。>
素人が作る家にどんな意味があるんでしょう?
人間衣食住がなければ生きていけませんが、いざとなった時に一番お金のかかる家を作れると知っただけでも、将来を考える上でかなり心が軽くなります。(もう小屋&家作りは当分はやりません。精神的な休憩が必要です。)
それに伴って、そして今回や山を削ったという反省も踏まえて、太陽の動き、風の流れ、水のありがたさなど、自然の要素やその土地に対する考え方の勉強にもなりました。
おそらく将来家は買うことにもなると思います。自分で手を加えて建てるとしても、一番難しい基礎と本体の骨組みやプロに頼む(ハーフビルド)ことを選ぶはずです。一から全部、プロの手無しでは作業が多すぎて、技術的にも時間的にも余裕ができません。それだけ分かっただけでも、今回の大きな収穫かなと思います。
そして今回の経験で、いろいろと道具の使い方も覚え、建物を作るうえでの知恵の出し方も学びました。
この経験が、将来極北の地で生きていき、そして自然の中で過ごす上で必ずや役に立つはずです。
あの土地では、街の外に生活をしたり、自然の中に入っていくこと(写真撮影も含まれます。)に、多くの技術や判断力、知恵が求められます。道具が壊れた時にどう自分で直すかなど、基本的に自立してある程度のことができないと生死を分けることが起こりうる土地です。
そして一番分かったことは、やはり仲間は必要で、素晴らしい財産だということ。
僕の好きな本(後に映画化)で「Into the Wild」がありますが、若い青年がアラスカの原野で自給自足を夢見て一人で入り、結局死んでしまった話です。人は人なしでは生きられませんし、そして何より周りの人がいて成り立っている暮らしです。そして人には自然が必要なように、文明もまた必要なもの。便利な生活が必要な一方で、よりよいバランスを保ちながら生きていくには、どうしたらいいんでしょうね?各人によって答えは違いますし、一人一人が違った答えを出していくものだと思います。僕自身はどうでしょう?どのように生きていきたいのでしょうか?世の中は自然保護や環境運動のメッセージで溢れていますが、正直言って個人的にはそれほど興味がありません。(必要とは思いますが、自分自身の生活もままならず、矛盾を感じてしまうため。)それでも、どこかで矛盾を抱えながらも、ある程度自然とのバランスを保ちながら、体を使って自然に近いところで暮らしていけたらと思います。そこには自分で食べるものを、少しは作ること。家に自ら手を加えること。原野で野生動物と過ごすこと。日本の子供達や大人たちと極北のフィールドで一緒に過ごすことなど、極北の地でやりたいことが山ほどあります。
<本棚も手作りです。写真関係の本と自然関係の本で溢れています。玄関との敷居にはFさん手作りのカーテン。冷気を遮断してくれます。>
この山小屋どうするの?
そうよく聞かれます。来年はユーコンへ移住する年。(今せっせと書類を集めている最終段階です。今月半ばにはカナダ政府に申請書類を提出予定です。)
ここにいたらいいのに。と大家さんもいってくれますが、やはり将来のビジョンはカナダのユーコンにあります。この土地も最高にいいところですが、やりたいことが向こうにいっぱいあって、困ったものです。
それでもやっぱり日本人。定期的には日本に帰ってくる予定ですし、将来この鶴居村に毎年しばらく帰ってこれる場所にしたい。そう思って建てました。本人も何故建てているのか正直わからないことが多いのですが、建てなければいけない直感がずっとありました。おそらく将来もっとクリアーになっていくと思いますし、この場所で何か面白いプログラムが生まれるかもしれません。それよりなにより、今年の冬と来年の春をここで過ごす予定です。その間にここを関わってくれた人との交流の拠点にしたいですし、親子自然教室の体験教室にも使う予定でいます。
<コアメンバーで、終了記念撮影>
長くなってしまいましたね。そろそろ切り上げる時間です。
手伝ってくれた方々、本当にありがとうございました。
ブログで様子を追っていてくれた方々、ようやくできました。
これからはもっと山小屋以外の記事を書く時間、写真を撮る時間が作れそうです。
こちらに様子を見に来たいという特異な方は、メールをください。ご案内しますよ。
それでは、山小屋建設「終了宣言」致します。
長い間お付き合い、ありがとうございました!