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荒野へ My 本棚

今日ある本が、机の上にポンとおかれていた。

何年も昔に読んだ懐かしい本。

"Into the Wild" By Jon Krakauer.

日本語で"荒野へ"と訳されて出回っている。

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http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087732665/sr=1-1/qid=1158719578/ref=sr_1_1/250-1604658-6439441?ie=UTF8&s=books

内容は、上のサイトに簡潔にまとめられている。

”1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死している彼の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、二年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか?クリスは、所有していた車と持ち物を捨て、財布に残った紙幣を焼き、旅立つと、労働とヒッチハイクを繰り返しながらアメリカを横断、北上し、アラスカに入った。著者のクラカワーは、大学卒業後のクリスの人生を追いかけ、その時々にクリスと触れ合った人びとを捜し出してインタヴューし、彼の心の軌跡を検証する。登山家の著者にとって、クリスの精神は理解できないものではない。また荒野に魅せられた人びとというのは、昔からいて、さまざまな作品や記録が残っている。こうした精神史や自らの体験も踏まえ、共感と哀惜の念を込めて、クリスの身に何が起こったのかを描き出す。出色のノンフィクション。”


この本を読んだのは、アメリカに行っていた98年。どのようにこの本を手に入れたのかは覚えていないが、強烈な印象を受けたのはよく覚えている。

当時自然とは程遠い環境の中で、勉強をしていた自分にとって、この本はなにか心の奥底にずっとしまわれていたものを激しく掻き立てた。

だれでも社会の中では程度の差はあれ、仮面をかぶって生きる事を要求される。その仮面と本当の素顔の間に大きなギャップが出来ると、人間は苦しくなるのではないか。”社会の成功”を捨て、ひとり自然の中へ入ってゆく。社会システムからの助けがない中で、向き合う自分。
本の中に登場する、クリスという若者に強く共感した。

<自分とはなんなのか><自然とはいったい><自分はどんな生活を求めているのか>

だれでも一度は思う疑問。はたから見れば順調にいってるような生活の中で、なにか心にひっかかるものがあった当時。自分の本当の想いをこの本は一気にかき回し、自分に問い詰めてきた。

本来であれば、順調に留学を終わらせて、ある程度決まっている道に進むことが現実的だった。でも、一度持ってしまった疑問。何かが違うという違和感。これをいったん感じてしまうとそれと共に生きていくには思った以上にエネルギーが必要となる。

<大学を辞めて、旅に出よう>今から考えると単純だけれど、そんな思いを持って退学をしようとしたけれど、結局は周りに猛反対され、そのまま勉強をし続けた。結局それはそれで有意義な生活になり、今にも役立つことになったのだが、やはりその後も何か違うと思いは消えなかった。

何年か過ぎ、遠く迂回してやってきた、アラスカの隣のユーコン準州。
<ただ広がる原野> <深いしわが刻まれた原野に生きる人々> <食料のための狩猟>。

もうこの本のことは忘れていたが、ここに昔から求めていた生活がまだあった。

理想と現実の折り合いが不思議とうまくついたのが、このユーコン。当然、全て自分の好きなことをしては生きていけないけれど、自分が求めた時間を過ごす事が、この土地ではできる。湖で漕ぐカヌー。マイナス25度の雪の上を共に走る犬ぞり犬達。誰もいない夜に見上げるオーロラ。動物を追って、原野を共に歩く友人。

ここでも時には仮面をかぶることも必要だけれでも、社会の中でも素顔を出していきやすい。そして文明を離れるとそこは原野。誰もいない。仮面も必要ないし、嫌でも自分と向き合うことが要求される。

結局間違ったものを食べて死んでしまったクリス。地元アラスカの人からは、無謀な何も知らない若者とどこかで馬鹿にされ、そして都会で育ったアメリカ本土の若者からは賞賛の対象とされている彼。彼がもし生きて原野から.帰ってきたら、後にどんな生活をしていただろうか。。

この本がなければ、ひょっとするとこのユーコンにはめぐり合っていなかったもしれない。自分にとってはそれだけインパクトのある本だった。

今年アラスカであった、一人のバスドライバーがいる。彼はこの本の映画撮影に去年の冬かかわったと言っていた。どんな映画が出来上がるかは分からないが、世に出たら必ず見に行きたいと思う。

文明と自然。人間の幸せ。現代にとって、大切なメッセージが含まれているからこそ、この本は今でも売り続けているのだろう。

theme : オススメ本!!
genre : 本・雑誌

Comment

Secret

私にとっての「荒野へ」。

この本を、私はYukonを旅する準備をしているとき、アラスカや、カナダ北部についての文献を読み漁っているときに見つけました。

主人公のクリスは、食糧も十分に持参せず、ハンティングも思うように上手くいかず、結局、葉や草の根を食べて飢えをしのいでいたとき、毒草を誤食が元で亡くなってしまうわけですが…何とも言えない気持ちになりました。

Yukonのカリブーの季節移動を追いかけて、極北のネイティブ・コミュニティを訪ねようと計画していた私も、やはりクリスと同じように、アウトドアの経験が全くなく、ましてやサバイバルの経験なんて皆無
でしたから、まるでクリスの行動と自分のこれからわ重ね合わせてしまったのです。

彼の死は大自然からの「警告」のように感じました。
"生半可な気持ちで大自然に立ち入ってはいけない"と言われている気がして、"極北の原野をいつか一人で旅してみたい"と私は本当に相当の覚悟が出来た上で、考えているのだろうか…と何度も自問自答しました。

結局ラッキーなことに、実際にネイティブ・コミュニティを訪ね、原野に出かけたときにはいつも誰か頼れるハンターと一緒に行動していたので、胸を打つようなすばらしい瞬間や風景にめぐり合うことはあっても、自分の身が危険にさらされるようなことはありませんでした。

でも、今でもこの本を見つけると、あのときの自問自答した自分を懐かしく思い出します。


Nishikawa-san

ー"生半可な気持ちで大自然に立ち入ってはいけない"と言われている気がして、"極北の原野をいつか一人で旅してみたい"と私は本当に相当の覚悟が出来た上で、考えているのだろうか…と何度も自問自答しました。

自分もおなじ気持ちに何度もなります。ここで育った人に比べて知識、経験の面で圧倒的なハンディがあるのは事実です。ひとりでマイナス30度のなかを何日も過ごす人とかいますが、ほんとすごいですね。

一つのミスが致命的になるので、ほんとに日常からずぼらなことをしないくせをつけなくてはいけないとおもいます。

自分も少しずつ、自分の経験を増やして、いきたいと思っています。
プロフィール

上村 知弘       (うえむら ともひろ)

Author:上村 知弘       (うえむら ともひろ)
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<プロフィール>

1978年生まれ、神戸育ち

高校時代より海外の文化に興味を持ち始め、大学時代にアメリカへ留学。これを機に、ヨーロッパ、インド、東南アジアなどをバックパックで周り、世界の文化、自然への興味を募らせていく。

卒業後、極地冒険家大場満朗冒険学校、動物保護団体NPOアークで働いた後、2004年カナダへ渡航。

カナダ極北ユーコン、アラスカにて、夢であった原野での旅を繰り返しながら、自然の中での生活、自然写真へのめりこんでゆく。

ユーコンにて3年暮らし、オーロラ、アウトドアガイドを努めた後、2007年帰国し丹頂の里、北海道道東鶴居村へ3年間移住。

2011年5月よりカナダ ユーコン準州へ戻る。
永住権を取得し、ユーコンでの生活を再開。

カナダ人の妻とユーコン準州ホワイトホースの森の中にて、17頭の犬とゲル(モンゴルの伝統的テント住居)暮らし中。

2012年ガイドビジネスの立ち上げ。
www.tntnaturecon.com

2014年 初写真集「Dall Sheep」の出版
www.seiseisha.net/dallsheep.html

極北の自然、犬ぞり、生活、原野の旅を楽しんでいます。

 SHEEP illustration
    Dall Sheep © t.m.

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