「Life in the North」           ◎インフォメーション◎
ブログアドレスを移動しました。(新規ブログ tNt Nature Connections)

tNt Nature Connections Blog

FB_FindUsOnFacebook-144.png Facebookページも定期的に更新中です。


◎ドールシープ写真集販売
WWFのパンダショップでも販売されています。 WWFのパンダショップ

丸善&ジュンク堂のネットサイトからも販売されています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

7年目の毛皮帽子

「とも、私のこと覚えてる?」

暗闇の中で聞かれたのでどきっとしましたが、なんとなく聞き覚えのある声でした。

先日家の外で激しく踊るオーロラを見ていたときのこと。

声に気づくと後ろに3人が立っていました。

近づいてみると、声の主は7年前に先住民の村オールドクローで出会っていたMさん。

グイッチン族の彼女に7年前に村でお世話になりました。

刺繍や裁縫がうまい彼女から、毛皮帽子を購入したのはユーコンに来た初めての年でした。

それ以来ユーコンや北海道の冬に毎年愛用してきた毛皮の帽子。

さすがに7年目ともなると、毛皮にもほころびが出てきていたところです。

修理をしなければと思っていた矢先、作り手に再会したのは偶然でしょうか。

「この帽子、直してもらうことできますか? 新しい帽子も欲しいのですが。」

そう頼むと、次の日には修理された帽子とすぐに作ってくれたビーバーの毛皮帽子を届けてくれました。

old crow hat
"Old and New Fur Hats" <左が新しいビーバーの帽子。右が古いマスカラットの帽子>

「7年前の帽子につけたマスカラットの毛皮は、私の叔父の古老が伝統的な方法でなめしたものなのよ。」

「20年前に、彼がまだ生きていたころなめしたものなの。今は化学的な材料でなめすのが主流だけど、伝統的なやり方が私は好き。他の古老に見せると欲しがるから、隠しておきなさい!新しい帽子の紐には、伝統的な方法でなめしたカリブーの毛皮を使ったよ。」

そう言って作り立てのビーバーの帽子を渡してくれました。主に犬ぞりに使うと伝えていたため、内側は犬の足跡の模様がついたフリースで覆ってくれています。

この7年の間にガンを煩い、克服したというMさん。

今ではより伝統的な刺繍にのめり込み、伝統的な精神的教えに従っているといいます。

「カリブーの解体を手伝うといったあなたを、肉が置いている小屋に連れていったのを覚えている?大量の肉を前にしてあなたはこういったのよ。これ全部解体しなければいけないのですかって。」

そう言って笑っていたMさん。

ユーコンに来たばかりの当時の様子が、少しずつ蘇ってきました。

毛皮の帽子に刻んでいかれた過去7年の足跡。彼女や僕の人生にも様々な変化がありました。

7年後、古くなったビーバーの帽子にはどんな思い出が詰まっているのでしょうか。。。

theme : ある日の風景や景色
genre : 写真

Comment

Secret

No title

変化する事の素晴らしさ、変化しない事の重要性。
両極のバランスの大切さを感じます。
希少な帽子。そう言えば、釧路の音無川?で私が、上村さんかな?と思ったのは、この帽子がきっかけでした。

Re: No title

emiさん

こんばんは!そういえば、あの時もこの帽子を被っていました。
北海道でも愛用していましたが、この帽子が目印になったとは面白いですね。
変化すること、しないこと。。。何を守り、何を変えていくのか。
常に自身や社会に問いかけられているような気がしますね。
何か愛着するものや人、場所とともに、軌跡を記憶できれば素晴らしいことかなと思います。

> 変化する事の素晴らしさ、変化しない事の重要性。
> 両極のバランスの大切さを感じます。
> 希少な帽子。そう言えば、釧路の音無川?で私が、上村さんかな?と思ったのは、この帽子がきっかけでした。
プロフィール

上村 知弘       (うえむら ともひろ)

Author:上村 知弘       (うえむら ともひろ)
○○○○○○○○○○○

<連絡先>
ご連絡のメールは以下です。
お問い合せ先メール

<プロフィール>

1978年生まれ、神戸育ち

高校時代より海外の文化に興味を持ち始め、大学時代にアメリカへ留学。これを機に、ヨーロッパ、インド、東南アジアなどをバックパックで周り、世界の文化、自然への興味を募らせていく。

卒業後、極地冒険家大場満朗冒険学校、動物保護団体NPOアークで働いた後、2004年カナダへ渡航。

カナダ極北ユーコン、アラスカにて、夢であった原野での旅を繰り返しながら、自然の中での生活、自然写真へのめりこんでゆく。

ユーコンにて3年暮らし、オーロラ、アウトドアガイドを努めた後、2007年帰国し丹頂の里、北海道道東鶴居村へ3年間移住。

2011年5月よりカナダ ユーコン準州へ戻る。
永住権を取得し、ユーコンでの生活を再開。

カナダ人の妻とユーコン準州ホワイトホースの森の中にて、17頭の犬とゲル(モンゴルの伝統的テント住居)暮らし中。

2012年ガイドビジネスの立ち上げ。
www.tntnaturecon.com

2014年 初写真集「Dall Sheep」の出版
www.seiseisha.net/dallsheep.html

極北の自然、犬ぞり、生活、原野の旅を楽しんでいます。

 SHEEP illustration
    Dall Sheep © t.m.

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。