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コグマの運命

この時期に小さなコグマが一頭でうろうろと雪の中を歩いていました。

アラスカのヘインズ近郊で見かけた小さな茶色いコグマ。

今年生まれたばかりの小さなサイズですが、そろそろ冬眠をしていてもいい頃です。

地元のひと曰く、最近近くで母親クマが食べられていた死体があったようで、

どうやらこのコグマの母親熊だったようです。

オスのクマは他のコグマを食べることで有名ですが、襲われそうになった場合に母親がオスと闘います。

おそらくオスに攻撃されて、殺されてしまったお母さん。

そのままこのコグマは逃げてきたのでしょう。

しきりにローズヒップの実を食べたり、たまに見つけた鮭の死骸を見つけてしのいでいました。

初めての冬眠となるはずだった今年の冬も、母親がいないコグマはおそらくそのまま死ぬ運命。

こちらで考えられる選択肢としては、そのまま自然死させるか、保護して動物園などに送るか、射殺を含む安楽死をするか。

アラスカ内外から集まってきていた見物人の中には、保護して欲しいという人やそのままにしておくのがいいという人がいました。

自然界では当たり前のことですが、人間側からすると感情がどうしても入らずにはいられません。

毎年このようなことがどこかで起るのが、自然界の厳しいところ。

美しいだけでなく、掟が支配する厳しい自然が存在するのも極北の魅力。

自然界に生きる厳しさは、野生の生き物と人間とでは比べ物にはなりませんが、

比較的自然に近いところで暮らす現地の人たちは、どのような選択をするのでしょう。

そして、人間と野生の生き物との「命」のラインは一体どこにあるのでしょう。

現実的に考えると、このコグマはおそらく今年の冬に死にます。

そしてまた来春には新しいコグマが生まれてきます。

人間は時を越えて考えたり感じたりする分、自然から離れていき、また逆に本来の自然に惹かれるのでしょう。

小さなキャビンの薪ストーブでぬくぬくと暖まり、

アラスカンビールを片手に持って言う意見ではありませんが、

全てを引き受ける野生の命は潔くもあり厳しいですね。そしてある意味美しいです。

そしてそれを受け止める人の考え方、生き方の違いも興味深いところです。

bear orphan2011-11-12 at 16-43-57
"Left Alone" <残されたコグマ>

Comment

Secret

こぐまものがたり

もうすっかり雪景色ですね。
私がヘインズにクマの写真を撮りに行ったときも、1歳半ぐらいの黒い子グマが単独行動をしていました。他の2頭のブラウンは母グマに連れられて鮭をキャッチする練習をしているのに、ひとりで、無邪気に鮭捕りに失敗したり、見に来た人たちの目前の岩の上でトイレをすませたり、あどけなくウロウロしていました。
側にいた人が「彼は冬を越せないかもしれないよ」と言っていました。
星野道夫さんの{アラスカたんけん記}に「クマの研究者に聞くと、はぐれてしまった子グマをほかの母グマが育てることがたびたびあるそうです」と書いてありました。
その時、私はブラウンの母がブラックを一緒に育ててくれないかな…と考えたことを、上村さんのお話で思い出しました。
この子グマが自然に冬眠に入れるように、東京の星空の下で祈っていたいと思います。

Re: こぐまものがたり

のほほんさん

こんばんは。コメントをありがとうございます。
ヘインズでのあの光景を見られたことがあるのですね。コグマが鮭を捕っている姿は本当にかわいいものです。
今年の夏もいきましたが、母親一頭に3頭のコグマがいたのを覚えています。たいていは多くて2頭ですが、同じぐらいの大きさなので、もしかしたらたまたま生まれた三つ子か、もしかしたら他のコグマを引き取ったのかもしれません。この時期にはもう他の多くの熊は冬眠していますので、他の母熊に引き取られる確率としてはかなり少なくなってきますが、それは最後は自然が決めることかもしれません。奇跡がおきるかもしれませんね。
生き物の生き様は面白いもので、人間も文明に守られているとはいえ、例外でないので同情できます。
寒い今夜、一体この熊はどうしているのでしょう。。。

深いですね~

ご無沙汰していました。
なんだか、とても考えさせられました、くまさんに。

命があるものは本来例外なくそういうギリギリの選択を迫られることが、しばしばあるのではないかと思うのですが。
日本で、ぬくぬくと生活していると、ややもすると忘れてしまいそうです。

運命は、厳しくて冷たいと思えることでも、摂理は暖かいという言葉を思い出しました。
摂理のなかでは、熊も人も夢のように仮の姿で在るだけなのかもしれないなと感じます。
だから、思いっきり夢を生ききらなければいけないですね。
意味不明の文章でしたら、ごめんなさい。
とにかく、凄く考えさせられました。
どうもありがとうございました。

Re: 深いですね~

りえさま

ご無沙汰しています。コメントありがとうございます。
人間も野生動物ではないにせよ、いろんな意味でぎりぎりのところをいっている方は多いと思います。
普段順調にいっている時には気づかないことですが。。。
仮の姿の夢を生きる。意味はとてもよくわかります。仮の姿で命が巡ってゆく。
おそらくそれが摂理、掟なのだと思います。
それをどう捉えるかは人それぞれですが、ぼくも日常の生活で忙しいときには一瞬ふと立ち止まり、
周りをもう一度新鮮な目で見るようにしています。
「運命は、厳しくて冷たいと思えることでも、摂理は暖かい自然に入っていくのも、それを感じるためなのかもしれません。」すばらしい言葉ですね。
またの再会を楽しみにしています。


> ご無沙汰していました。
> なんだか、とても考えさせられました、くまさんに。
>
> 命があるものは本来例外なくそういうギリギリの選択を迫られることが、しばしばあるのではないかと思うのですが。
> 日本で、ぬくぬくと生活していると、ややもすると忘れてしまいそうです。
>
太字の文> 運命は、厳しくて冷たいと思えることでも、摂理は暖かいという言葉を思い出しました。
> 摂理のなかでは、熊も人も夢のように仮の姿で在るだけなのかもしれないなと感じます。
> だから、思いっきり夢を生ききらなければいけないですね。
> 意味不明の文章でしたら、ごめんなさい。
> とにかく、凄く考えさせられました。
> どうもありがとうございました。
プロフィール

上村 知弘       (うえむら ともひろ)

Author:上村 知弘       (うえむら ともひろ)
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<プロフィール>

1978年生まれ、神戸育ち

高校時代より海外の文化に興味を持ち始め、大学時代にアメリカへ留学。これを機に、ヨーロッパ、インド、東南アジアなどをバックパックで周り、世界の文化、自然への興味を募らせていく。

卒業後、極地冒険家大場満朗冒険学校、動物保護団体NPOアークで働いた後、2004年カナダへ渡航。

カナダ極北ユーコン、アラスカにて、夢であった原野での旅を繰り返しながら、自然の中での生活、自然写真へのめりこんでゆく。

ユーコンにて3年暮らし、オーロラ、アウトドアガイドを努めた後、2007年帰国し丹頂の里、北海道道東鶴居村へ3年間移住。

2011年5月よりカナダ ユーコン準州へ戻る。
永住権を取得し、ユーコンでの生活を再開。

カナダ人の妻とユーコン準州ホワイトホースの森の中にて、17頭の犬とゲル(モンゴルの伝統的テント住居)暮らし中。

2012年ガイドビジネスの立ち上げ。
www.tntnaturecon.com

2014年 初写真集「Dall Sheep」の出版
www.seiseisha.net/dallsheep.html

極北の自然、犬ぞり、生活、原野の旅を楽しんでいます。

 SHEEP illustration
    Dall Sheep © t.m.

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