原野の暮らし
今年の夏にお世話になったアラスカの原野に住む、1家族の構成です。
周りの木を切り倒し、自分達で丸太小屋を作ったラルフとリコさん。
ドイツ出身のラルフと、日本出身のリコさんふたりが、動物達と共に原野の中でたくましく暮らしています。
今年の夏、アラスカを旅していたのですが、必然のような偶然で出会ったすばらしいカップル。
朝、起きて、朝食を作るリコさん。朝食の後は、ラルフとリコさん共に山ほどある日課をこなしていきます。ニワトリの餌やり、菜園の管理、もう一つの家作り、資材運び、夕食の魚釣り。。。やることがたくさんあり、原野の暮らしも楽ではありません。
でも、一ついえるのは、労働がバラエティーに富んでいること。肉体を使って働くこと。ひとつひとつの作業が、<あー、生活してる>と言いたくなるような喜びを心と体に与えてくれます。
そして、このような体験を皆と分かち合いたいという気持ちからできあがった、彼らの原野の学校。
1st Alaskan Outdoor School
www.1stalaskaoutdoorschool.com
彼らと共に、一緒に暮らすもよし、カヌーを下るもよし。経験豊富な二人がいろいろ教えてくれるはずです。
一度本格的にアラスカを体験してみたいという方、原野生活、たのしいですよ。少しずつですが、気づかないうちに変わってくる自分が見えるかもしれません。少なくとも自分はそうでした。
写真は、川を泳いで出迎えてくれたサミー。彼らの犬です。遊んでいるうちにヤマアラシに刺されてしまいました。ペンチで一本一本抜かれる羽目に。。。ここでは、犬も自由に走りまわっています。


theme : 写真と言葉..日々の印象
genre : 写真
犬
名前はジェイク。セントバーナードとピレネーズという、大型犬のミックスで、まだ1歳だというのに、体はもう既に巨体です。
休みの日に、ジェイクをつれて、カヌーを漕ぎに郊外の湖に出かけました。
が、しかし、その日は今までこの辺りでは体験したことがないような暴風で、車にカヌーを積んで走っていると、横から来る突風で、車体が揺らされるほどでした。
結局カヌーは中止することになりましたが、ジェイクは始めての湖で楽しんでいました。まだ湖が何かをわかっていないようで、一歩一歩確かめながら水に入っていく様子がおかしかったです。
犬を飼っていると、世話は本当に大変だけれども、家に帰ってくるのが楽しみですね。

"Jake"

theme : 写真にコトバをのせて
genre : 写真
オーロラ、そして初雪
ドールシープ
マンモスが生きていた氷河期の時代から生きてきた動物で、今もこの地で脈々と生き続けています。
狼、熊などの天敵から身を守るために高い山の崖に住んでいるのですが、彼らが毎日見ている景色は絶景そのもの。
撮影で崖を息をきらしながら登り、下を見下ろす時の幸せったらいいようがありません。生き抜くためとはいえ、毎日高いところから、このような風景をみているドールシープがうらやましくなってしまいます。
今は夏の餌場から、冬の餌場へ帰ってきました。まだ春以来、同じグループの撮影にいっていないのですが、もういきたくて仕方ありません。
なんでこんなにも動物をみると、嬉しくなるのでしょうか。

"Mom & Babe" <崖をなんなく上り下り>
飲み放題ビール
小さい頃はあんなにまずかったビール。それでも今では私も大のビール好きです。。いつもはChilkootという地ビールを飲んでいますが、これも同じ会社によって作られています。
ただで工場をみせてくれて、試飲されてくれるというので、友人と行ってみると、小さな工場ながら熱をいれて作っている様子を紹介してくれました。
なんと手作業でビールを缶につめているそうです。そう。ひとつひとつ。一缶のビールが出来るまでに、最低3人の手が加えられているそうです。
<今度原野で冷たいビールを飲むときは、震えながら作っているおれたちのことも考えて!>と半分冗談、半分本気でいっていたガイドのお兄さん。 わかりした。ほんとに昨日の夜、真剣に?飲んだビールはなぜかすこしおいしかったですよ。
ちなみにこの会社で作っている代表的なビールは
Yukon Gold
Arctic RED
ふたつとも国際的なビールショーでも高い評価を得ています。REDの方は、会社設立3年目で金賞をとったそうです!
こうしている間にも、あのたくましい手で、ビールを作ってくれているはずです。ユーコンにこられた際には、是非お試しあれ!



荒野へ My 本棚
何年も昔に読んだ懐かしい本。
"Into the Wild" By Jon Krakauer.
日本語で"荒野へ"と訳されて出回っている。
![4087732665.09._SCMZZZZZZZ_[1].jpg](http://blog-imgs-18.fc2.com/n/a/t/naturayukon/4087732665.09._SCMZZZZZZZ_[1].jpg)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087732665/sr=1-1/qid=1158719578/ref=sr_1_1/250-1604658-6439441?ie=UTF8&s=books
内容は、上のサイトに簡潔にまとめられている。
”1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死している彼の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、二年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか?クリスは、所有していた車と持ち物を捨て、財布に残った紙幣を焼き、旅立つと、労働とヒッチハイクを繰り返しながらアメリカを横断、北上し、アラスカに入った。著者のクラカワーは、大学卒業後のクリスの人生を追いかけ、その時々にクリスと触れ合った人びとを捜し出してインタヴューし、彼の心の軌跡を検証する。登山家の著者にとって、クリスの精神は理解できないものではない。また荒野に魅せられた人びとというのは、昔からいて、さまざまな作品や記録が残っている。こうした精神史や自らの体験も踏まえ、共感と哀惜の念を込めて、クリスの身に何が起こったのかを描き出す。出色のノンフィクション。”
この本を読んだのは、アメリカに行っていた98年。どのようにこの本を手に入れたのかは覚えていないが、強烈な印象を受けたのはよく覚えている。
当時自然とは程遠い環境の中で、勉強をしていた自分にとって、この本はなにか心の奥底にずっとしまわれていたものを激しく掻き立てた。
だれでも社会の中では程度の差はあれ、仮面をかぶって生きる事を要求される。その仮面と本当の素顔の間に大きなギャップが出来ると、人間は苦しくなるのではないか。”社会の成功”を捨て、ひとり自然の中へ入ってゆく。社会システムからの助けがない中で、向き合う自分。
本の中に登場する、クリスという若者に強く共感した。
<自分とはなんなのか><自然とはいったい><自分はどんな生活を求めているのか>
だれでも一度は思う疑問。はたから見れば順調にいってるような生活の中で、なにか心にひっかかるものがあった当時。自分の本当の想いをこの本は一気にかき回し、自分に問い詰めてきた。
本来であれば、順調に留学を終わらせて、ある程度決まっている道に進むことが現実的だった。でも、一度持ってしまった疑問。何かが違うという違和感。これをいったん感じてしまうとそれと共に生きていくには思った以上にエネルギーが必要となる。
<大学を辞めて、旅に出よう>今から考えると単純だけれど、そんな思いを持って退学をしようとしたけれど、結局は周りに猛反対され、そのまま勉強をし続けた。結局それはそれで有意義な生活になり、今にも役立つことになったのだが、やはりその後も何か違うと思いは消えなかった。
何年か過ぎ、遠く迂回してやってきた、アラスカの隣のユーコン準州。
<ただ広がる原野> <深いしわが刻まれた原野に生きる人々> <食料のための狩猟>。
もうこの本のことは忘れていたが、ここに昔から求めていた生活がまだあった。
理想と現実の折り合いが不思議とうまくついたのが、このユーコン。当然、全て自分の好きなことをしては生きていけないけれど、自分が求めた時間を過ごす事が、この土地ではできる。湖で漕ぐカヌー。マイナス25度の雪の上を共に走る犬ぞり犬達。誰もいない夜に見上げるオーロラ。動物を追って、原野を共に歩く友人。
ここでも時には仮面をかぶることも必要だけれでも、社会の中でも素顔を出していきやすい。そして文明を離れるとそこは原野。誰もいない。仮面も必要ないし、嫌でも自分と向き合うことが要求される。
結局間違ったものを食べて死んでしまったクリス。地元アラスカの人からは、無謀な何も知らない若者とどこかで馬鹿にされ、そして都会で育ったアメリカ本土の若者からは賞賛の対象とされている彼。彼がもし生きて原野から.帰ってきたら、後にどんな生活をしていただろうか。。
この本がなければ、ひょっとするとこのユーコンにはめぐり合っていなかったもしれない。自分にとってはそれだけインパクトのある本だった。
今年アラスカであった、一人のバスドライバーがいる。彼はこの本の映画撮影に去年の冬かかわったと言っていた。どんな映画が出来上がるかは分からないが、世に出たら必ず見に行きたいと思う。
文明と自然。人間の幸せ。現代にとって、大切なメッセージが含まれているからこそ、この本は今でも売り続けているのだろう。
野生動物
http://www.yukonwildlife.ca/index.html
30年ほど前に、一組に夫婦によって始められたこの施設。以前は、極北動物、とくにドールシープ、カリブーなどの草食動物の繁殖をしていました。
2004年にユーコン準州政府によって買い取られることになり、今では、教育、研究用として公開されています。
園内を施設が用意した小さなバスに乗り、サファリパークのように進んでいきます。
ムース、ジャコウウシ、カリブー、ドールシープ。なるべく自然状態に近い形で飼育されている、極北のユニークな動物が次々と現れてきます。
おそらくこれだけの数の動物を自然状態で見るには、何年もかけて原野をあるかないと無理だと思います。それがたった1時間半のツアーで見えてしまう。手軽に、動物について学ぶにはもってこいの施設です。実際に現地の人、そして観光客にも人気があります。
人間にある程度なれている動物は、こちらにも近寄ってきて、かわいいことったらありません。
でも、ひとつ思ったのは、これは疑似体験であって、やっぱり一番いいのは、ハイキングなどをしながら、ほんのたまに現れる動物に遭遇すること。そこでは、もちろん柵がありませんので、こちらも動物に近寄りすぎると逃げられるか、襲われるかになります。
自然の中での緊張感、距離感。これは実際に自然状態にいて始めて味わえるものです。
写真を撮るにしても、ここですぐにパッと撮れるのと、きちんと動物の生態、居場所を研究して、何日も足を引きずって歩いた末にとれる写真とはやはり違ってくるものがあると思います。撮れた喜びに関してはいうまでもありません。
とはいえ、こんなに近くで見ることが出来て、生態についても勉強できる。そういった意味では貴重な施設です。自分もひそかに会員にもなってしまっています。時々届くニュースレターが楽しみです。
みなさん、ユーコンに訪れた際には、気が向いたら行ってみてください。そして、さらに時間がある人は、ここで動物を見た後、自然に入って見てください。
原野で出会う動物が、さらに輝いて見えるかもしれません。

"Mountain Goat"

極北Q&A オーロラ編
今回は質問がありました、オーロラを取り上げたいと思います。
日本人にとっては何故か特別なオーロラ。
実際、ここユーコンの都、ホワイトホースでオーロラガイドをやっておりますが、オーロラ観察に来る方は、ほとんどが日本人です。
<なんでそんなに日本人はオーロラが好きなのか?>
よくこのユーコンの地元の人に聞かれるのですが、答えはいつも、
<どうだろう。季節感の違いじゃないの?日本人は自然に対して感受性が強いのかも>
なんてことを言ってます。どうでしょう?みなさん。逆にこちらからたずねていいですか?
<皆さん、なぜオーロラ好きなんですか?>
コメントお待ちしております。
さて、肝心の質問のほうを取り扱っていきたいと思います。
質問1. そもそも、オーロラを見るのに適した季節はいつですか?
はい。オーロラは冬しか見えないと思っている人意外と多いのですよね?実はオーロラ年間を通してでています。ただ、夜が暗くならないとみえませんので、実際は8月中旬から、4月中旬までです。今の季節(秋)なんかは、外でオーロラを待っていても寒くないですし、湖や川があれば、まだ凍ってませんので、オーロラが鏡のように写ることもあります。きれいですよー。去年の9月は、光が邪魔な街からでも、上でぐるぐる回ってました。鳴門の渦潮みたいに。
質問2.どのくらいの割合で見えますか?
厳しい質問ですね。よく3日間滞在でオーロラ鑑賞成功率9?%なんてでてます。とうぜんこれには弱いオーロラも含まれています。オーロラの光はたいてい弱くて肉眼でみても雲かオーロラかわからにくいものも結構あります。世に出回っている映像は、当然良いオーロラが出てきた時にとっているもので、毎回あれがでればいいのですが、実際かなしきかな、そうは自然が許しくれません。ただ、弱いオーロラでも写真に撮ると結構濃く写ります。強いオーロラに出会えるのはこれも運。実際出ますし、でるとかなりきれいです。ほんとに。
ちなみにツアーや撮影に出る前は必ずオーロラ予報をチェックします。
http://www.auroraforecast.com/
今見てみますと、、、なんと8!10点満点中の8です。今からとりにいこうかな? という感じになるんです。いや、ほんとにいこうかな。
とりあえずはこないと見えませんので、皆さん、極北来て下さい!
質問3.夜、何時ごろ見えますか?
場所によって違いますが、ここホワイトホースでは大体夜11時から3時ごろまでです。12時過ぎるとよくでてきます。ただ朝の4時ごろにもでるときもあります。ですので、観察の基本は、暗い間は常にチェック!(特に北側)です。 そして<お酒は控えめで>がポイントです。自分に言い聞かせてるよいうですが、寝ててははじまりませんもんね。
質問4.オーロラを撮るのに適したカメラは?
ちょっとカメラをやらない人には、トンチンカンかもしれませんが、
基本は、マニュアル設定ができるかめらです。よくMモードと書いてるダイアルが多いですが。夜景モード、花火モードなどで獲ろうと試みるひともいますが、基本的にはとれません。シャッタースピードが、自分で設定できるカメラ。マニュアル設定できるカメラであれば、小さな最近のデジカメでも十分きれいなものがとれますよ!
質問5.オーロラの撮影方法を教えてください!
まずいるものですが、
1.カメラ 2.三脚 3.雲台(三脚とカメラをつなげます)
4.レリーズ 便利なものに、1、水平器。(いがんだ写真をとらないために)2.カイロ。3.ヘッドランプなどがあればやくにたちますよ。
そして撮り方は、
1.カメラをマニュアルモードで設定します。
ISO感度400.シャッタースピード15秒から30秒の間。
レンズの明るさ1.4から4.0までが基本です。
魯州時間の対応表をつけますと、
ISO/F 1.4 2.0 2.8 4.0
100 30 60 120 240
400 8 15 30 60
800 4 8 15 30
が基本です。どうですか、カメラをしない方?頭痛くなりますよね?
カメラをしっている友達に聞いてみてください。ちゃんとこたえてくれえるはずです!?
2.ピントを無限大に合わす。
3. フレーミング。
モニターは切っておいて、ファインダーからのぞいてください。
4.シャッターを切る。
レリーズを使って、決して動かないようにします。
ちなみに役立つ情報として、
1、予備バッテリーをあほほどもってくる。
寒い中の撮影、すぐにバッテリーきれてしまいます。
切れたら、暖めてください。少しは復活します。
2.息を吹きかけない。
−30度のなか息をふきかけると、カメラに凍り付いてしまいます。
バナナで釘を打てる?世界ですから。
3.機材を撮影が終わるまで室内にいれない。
温度差でカメラに露がついてしまいます。しっかりと何重かのビニールバックに空気を抜いて入れて、2−3時間たってからあけて下さい。
どうでしょう、みなさん?オーロラ見たくなりましたか?
こちらユーコンでもオーロラ写真家谷角靖氏がおりまして、実は同僚でもあったりします。実際彼から色々教えてもらいました。
www.yasushi-products.com
オーロラ以外の写真も撮るのですが、今まで一冊、
<オーロラの降る街>という写真集を出しています。
そして今年の11月11日には2作目のオーロラ写真集を出す予定です。
ご興味のあるかた、本屋さんで見てみてください。
![10000242085_s[1].jpg](http://blog-imgs-18.fc2.com/n/a/t/naturayukon/10000242085_s[1].jpg)
さあさあ、今年もオーロラいっぱいでてほしいですね。
写真も今年は気合をいれて狙っていきます!
以上極北Q&A オーロラ編でした!

"Dancing Reflection"

ユーコンに来て
死んでゆく鮭、秋の終わり。
ヘインズは最近よくいっています。よき昔の港街の雰囲気をまだ残していて、行くかう人も、こちらに向かって笑顔で挨拶をしてくれます。
今回は紅葉撮影、そしてまた鮭釣りを目的でいきました。
ヘインズに行くには、世界遺産クルアニ国立公園、そして、ユーコンの南の週である、ブリティッシュコロンビア州を通っていきます。
いつでも美しいドライブが、今回はまぶしいばかりの黄葉、紅葉で、運転していて何度も目の前の山、丘、湖に見入ってしまいました。ちゃんと前を向いて運転しなきゃだめですね。
いつもヘインズに近づくにつれて必ずといってよいほど、曇りか雨の場所が今回は晴天でした。おかけで、きれいなツンドラ地帯の紅葉をとることができました。
川では、そろそろ鮭が死に始めています。海で育ち、生まれた川に帰ってくる。長い旅を終えて、子孫を残して死んでゆく鮭。他の魚よりもなにかドラマがあります。
今回は数を抑えて、いくら付きの5匹を釣りました。今夜、さっそくいくらをたれにつけたいと思います。明日にはおいしいいくら丼が食べれそうです。
もうあと1週間で、紅葉も終わり。ほんとに冬が来るんだという実感が増してきます。そして週末には引越し。
寒くなる前にしなければいけないことがいっぱいです。
初雪が降る前に。

"End of Journey" ”旅を終えて死に行くサーモン”
theme : 写真と言葉..日々の印象
genre : 写真
喜び
このごろそんなことをたまに考える。
何もない自然にぽつんと立つ自分。当然なにもない。
服も、食料も、携帯も。
寒さをしのぐためになにをするだろう。
穴にはいるだろうか。
腹が減ったと感じた時にどのような行動をとるだろう。
他の生命を獲って食べるという発想が出るだろうか。
今年の春、一組の夫婦に会った。原野で暮らしている二人のもとで家作りを手伝った。原野での暮らしはすべてを自分でやらなければいけない。
夕食の席で、オーナーのラルフの彼の若い頃の話になった。ドイツ出身の彼は、若い頃夏になると、カナダ極北部の原野で過ごしていたらしい。
ある夏のこと、カヌー行にでた彼は、事故ですべての装備を失ってしまった。すべてがなくなって、原野に残されてのは、彼一人のみ。
近くの先住民の村まではかなりの距離がある。サバイバルの知識をもっていた彼だが、このときばかりは何をやっても、不思議なほどうまくいかなかったらしい。ワナを仕掛けるがなにもとれない。魚もいない。火をたいて緊急信号を飛行機に送るが誰も送られてこない。
じわじわと消耗していく日々の中、何を考えていたのだろうか。無駄に動いても、動かなくても最終的な結果は同じ。
結局30日、食料なしでさまよった。人間は水さえあればしばらくいきていけるときいていたが、1ヶ月ものあいだ何も食べない生活とはどのようなものか。
そして、何も食べていない30日後、念願の食料をみつける。
ツンドラになっていたブルーベリー。これを食べて残りの26日をしのいだといっていた。
ブルーベリーだけでは、とうてい長い間はもたない。細い糸でつながれていた彼の命は、ある日現れたドキュメンタリーディレクターによってつながれて行くことになる。
将来撮る映像の下見をしていた彼は、誰もいるはずがない原野でひとりの男が弱っているところを発見する。
そのまま病院に送られたラルフは医者にいわれたらしい。あと1週間おくれていれば死んでいた。
一度失った体重を回復されるのに、かなりの時間がかかったらしい。何日も動物のようにさまよった後に、現れた一人の人間。ラルフの目にはディレクターがどのように映ったのだろうか。
一度行った先住民の村でも、冬に動物がとれず飢え死にした話を聞いたことがある。
もう昔に戻ることは不可能に近いのだろう。複雑化した社会。自分の専門、役割を果たして、社会に貢献する。そのほうが一つの共同体としてよほど効率がいいのだろう。自分の得意なものを行い、そして他の人に違う優れて分野をまかせる。
効率はいいが、その過程でなにかが失われていく。自分でやり遂げる喜び、全体性とでもいっていいかもしれない。現代の生活、便利性になれてしまった我々は、昔の自然との緊張感の中でたえていくだけのものを残しているだろうか。
ユーコンには、一つの大きなパラドックスがある。文明と自然。
街にいれば何でも手にはいる。最近携帯電話もかなり普及してきた。
そして一歩街をでれば誰も助けに来てはくれない。音がない世界の中で、全てが自分の責任となってくる。
ここで会う人、特に昔から住んでる人にずっと魅力を感じてきた。その一つの理由が、様々なことを自分でこなせるということ。
自分でビジネスを持っていながら、秋にはムースを獲りに行き、冬には薪を切る。あるときにはスーツを着て、そしてあるときには血にまみれる。
自分という存在が、人間社会の役割と、そしてどこかで大きな自然によってなりたっている。
自然によって定義される自分がなくなった時、個人にもよるが、<喜び>のいくらかが失われていくのではないだろうか。そう思えてしかたがない。
木の葉が散り始めた、今の季節。街には狩りに使う4輪車を積んだトラックが走り始めた。
ムース、カリブーといった動物を獲りに行く時期がまたやってきた。これらの動物は、ここに住む人にとって、食料以上のなにかをもたらしてくれる。動物を獲りそして食べる。そこにある根源的な喜び。
それは、おそらく、まだ自分達が、どこかで自然とつながっているという、ついこないだまであった当たり前の現実。その事実を思い出させてくれるのだろうか。

"Caribou Migrating in Tundra"<季節移動をするカリブー。食べながら、前へ、前へと進んでゆく>

極北のQ&A
最近ガイド業で、日本のお客さんと過ごすが多く、色々な質問をきかれます。
オーロラはいつがよくみえるんですか?
なんで車の前の部分に電気コードがついてるんですか?
白夜はほんとにあるんですか?
自分自身好奇心のかたまりのような人間。新しい場所、人にあったら向こうが困るぐらい質問します。
ガイドをしていて、ドキッとするような質問もありますが、聞かれるたびに勉強をして、答えるようにしています。(わからないことも知ってるふりして答えるときもありますが。。。)
そこで今回始まった極北Q&A.
面白い質問、調べてもあまり日本では情報がないようなものを時々とりあげては、紹介したいと思います。
日本人にとっては遠いイメージのある極北ユーコン。ここも立派に人が住んでいますし、(あたりまえですが)住民にはプラスマイナス含めてそれなりの現実があります。
すこしでもユーコンを、極北を身近に感じてもらえるようになればうれしいです。
ということでコメント欄に質問をして頂いて結構ですよ!
できる限り、とりあげ、わかる範囲内ですが、お答えしていきます!
オーロラ パノラマ写真
写真をやらない人にとってはどうでもいいことですが、いままでずっと撮りたかったパノラマ写真機でのオーロラ。
ここに載っている写真はデジタル一眼でとったものですが、パノラマカメラを使って、昨日はじめて湖面に映っているものが撮れました。
極北の自然を撮るときにいつも悩むのが、どう風景を切り取るかということ。自然のスケールが大きいので、その大きさを伝えたいのですが、どうしても、従来の35mmの写真機ですと、画面が小さくて、感動が限定されてしまいます。
そう思って買ったパノラマカメラ。これでオーロラをとりたいとずっとおもっていたのですが、ようやく実現しました。
フィルムを使うカメラですので、現像して、スキャナーで読み込まないとアップできませんが、そのうち横にながーいオーロラ写真、アップしたいと思います。
それにしても今の時期のオーロラ撮影、夜がマイナスの世界ではないので、冬と比べて圧倒的に楽です。
涼しい風に当たりながら、湖の波を音を聞き、ひとりで夜空に舞うオーロラをみる。昨日は贅沢な夜でした。
死ぬまでに一度は見てください。損はしませんよ!

"Reflection" <湖面に映るオーロラ>

星野 道夫
いまだに大きな存在である星野道夫。
ここで暮らすものにとって、アラスカであろうと、ユーコンであろうと、彼の言葉、そして写真は心に響きます。
さて、My 本棚シリーズ、今回から始めます。 日本ではあまり紹介されていない本を、極北、自然、写真などを中心に、簡単に紹介していきたいと思います。自然に英語の本が多くなってしまうと思いますが、暇があったら買ってみて、じっくり読んでみてください。意外な発見もたくさんあるかもしれません。
記念すべき第一弾は、星野道夫がらみの本を。
"Tracks of the Unseen"
-Meditation on Alaska Wildlife, Landscape and Photography-
By Nick Jans
"トラック オブ アンシーン"
-アラスカの野生動物、風景、写真についての考察-

http://www.amazon.com/Tracks-Unseen-Meditations-Landscape-Photography/dp/1555914489/sr=8-1/qid=1157950514/ref=sr_1_1/102-4758559-0935317?ie=UTF8&s=books
こちらの本、自分が好きな作家、ニックジャンによる本です。
彼の名前は星野道夫の本の中でも出てきました。たしか、コバック川を一緒に旅していたと思います。その頃は作家志望の先生だったみたいですが、今では立派な作家として活躍しています。
この本全体が星野道夫にささげられていて、最後の章は、”Picture For MIchio"(道夫のための写真)なんてタイトルまでついています。
少し長くなりますが、引用します。
”道夫がなくなってから2年になる。それ以来この場所には毎年秋になると戻ってきた。ここが、彼の思い出が一番残っている場所だからだ。この同じ(カリブーの)頭蓋骨の前で、彼はひざまづいた。そして、同じ青い丘には、太陽に引き裂かれた雲が低く停滞していて、視界をさえぎっていた。道夫が、いつものようにアクセント交じりの声でいう。(ニックを音楽のように発音して)ニーク、ここで待たなきゃ。ものすごくきれいでしょ。”
何時間もまち、落ち着きがなくなってきたニックにまたいう。”ニーク、いい写真を撮るためには、注意してみなければいけないんだ。すべてを見ることができなければいけない。”
基本的に作家のニックは、星野道夫のカメラマンとしての忍耐力、そして精神力を尊敬しながらも、彼の人間的な面を、愛情をこめながら紹介しています。彼の中にでてくる星野道夫は、星野さんと呼びたくなるようなあまりにも人間的で、ふつうの失敗もするごくごく普通の人。その一方で彼しかできなかった偉業、そして人を安心させる人柄がやさしくつづられています。
次の一文が、ニックジャンのみる星野道夫観を良くあらわしていると思います。
”あれがこの男の根本的なパラドックスだったのだろう。厳しい環境で、時には危険な存在となりうる動物を撮っていた写真家で、広がる、寒い大地の下で、身体的にどっぷりと厳しい環境につかっていた。そうしながらも子供のような純粋な目をもちながら、しっかりとしたビジョンをもって、この土地のエッセンスを捕らえていった。”
この土地で生きていく者への尊敬。彼のカメラマンとしての資質。そしてなによりも純粋なビジョン。それが彼を際立たせたのだろうといっています。
今となってはもう会って話すこともできない彼。できれば生きているうちに会いたかったですが、彼が残していったもの読みながら、日々新しい現実を生きてゆく。それができるだけでも幸せなのかもしれませんね。
極北に住む事によって、今まで見えてこなかったものが彼の文章から読み取れます。自分の経験から、そして知識から、彼の残したものと照らし合わせてゆく。それが一つの楽しみでもあります。
この本は、今年、フェアバンクスの古本屋でたまたまみつけました。是非、翻訳されて欲しい本のひとつです。
グリズリー
今回は、ユーコンの紅葉、オーロラツアーでした。
紅葉、黄葉はこれ以上ないぐらいきれいで、皆さん満足されてました。
オーロラ、それほど強くはなかったですが、動きのあるものもみれました。
さて、明日以降は3日ほどお休み。これまで少し走り続けてきたのですが、一息とりにまたアラスカ、ヘインズに行きたいと思います。
ヘインズにはまだ鮭が上がってきています。今は銀ザケがそろそろ戻ってくる頃ではないでしょうか。
世界遺産クルアニ国立公園の紅葉ももうピークを迎えていますので、撮影をする予定です。
前回のヘインズ撮影から、クマの写真を一枚。
今も鮭を一所懸命食べていると思います。

"Gazing" <グリズリー、鮭を食べながら何かに見入る>
紅葉
ドーソン
以前に書いた街、ドーソン。ゴールドラッシュ時代に栄えた街です。
今でもその当時の雰囲気を保っていて、街自体が一つの観光地です。
そしてこの街で見逃すことができないのが、ダイアモンド トゥース ガーティーズ。
これといってほかに何もやることのない街で、カンカンダンス、カジノ、バーが一緒になったこの店は、砂漠のオアシスのようです。
今回も、前のように勝てるだろうと意気込んでカジノにいったところ、またスロットでコインがぞろぞろ出始めました!
まーこんなもんと思って、余裕をこいていましたら、みるみるうちに数字が減っていき、ついにゼロ。あっけなかったです。
あのときやめておけばよかったと思うのがバクチの常。今回も少しは反省しましたが、今度来たときも同じことくりかえすんでしょうね。
カンカンダンス、良かったです。お姉さん達が、ピアノ、ドラムの曲にあわせて踊って歌うのですが、のってきたときの雰囲気なんともいえません。人間あつくなるときが必要!体のなかから熱が湧き上がってきます。
今回オーロラは見えませんでしたが、それでもいい旅でした。
さて、いまからオーロラツアー。今宵は出てくれるでしょうか。。。

"CANCAN DANCER"
ユーコンの秋
極北の短い秋。夏から冬への移ろい。
四季の中で、もっとも変化が激しい時期ではないでしょうか。
1ヶ月前には見事に咲いていたユーコンの花、ヤナギラン。
英語ではFireweedと言います。<火の草>なんていいネーミングです。
それが今では花も落ち、葉っぱの色も赤くなってきました。
緑から赤へ。夏から冬へ。
夏が終わる寂しさと落ち着いた冬がくるという安堵感。
秋は人の心を揺さぶります。
明日からはしばらく、お客さんを連れての紅葉ツアーに行ってきます。
赤く染まったツンドラを求めて。

"Fireweed" <咲き誇るヤナギラン>

"After the peak" <花も散ったヤナギラン。冬へ近づいてゆく>
鏡のように写るオーロラ
オーロラ予報をみると、10段階でなんと9!
http://www.auroraforecast.com/
いつもは5,6ぐらいでも結構いいものが見えるので、
今日こそはと思って、眠たい目をこすりながら行きました。
少し待ってみるとみるみる雲が覆ってきて、せっかく雲の後ろに出ているオーロラをかくしてしまいました。
知っている人もいるかと思いますが、実はオーロラ、目で見るよりも、写真で撮ったほうが良く写ります。実際には、こんなに見えてませんでしたが、写真に撮るときれいですね!
今度は実際に目で見てもきれいなものを狙っていくつもりです。湖面に映ったオーロラをパノラマ写真で大きく撮る。これが今のところの課題です。
しばらくは寝不足がつづきそう。。。
動物
昨日また馬に乗ってきました。今回はツアーのお客さんを連れての参加です。
お客さんといっても、彼らのほうがよほどの経験者。乗馬をするためにユーコンに来た珍しい方々です。
最近は日本でも乗馬がはやっているといっていましたが、やはり皆さん、経験者。楽しんで馬に乗っていました。
前回行った時よりも紅葉が進んでいて、いろんな色が見えて本当に楽しかったです。
”動物と人間は一緒に暮らすべき”とある著者は行っていましたが、動物と何らかの形で接していると、なにか深い充足感があるのは確かです。
将来は、小さくてもいいので、土地の一角を買って、動物を少しでいいので飼いたいです。犬二匹、馬一匹。よきパートナー。そしてシンプルな丸太小屋。
夢は膨らむばかりです。

"Communication" <馬と話すジョニ>
極北の狩人
スティーブ、フロスト 76歳。
彼のことをどのように書いたらいいただろうか。
スティーブと初めて会ったのは2004年9月。
ユーコン準州にあるオールドクローという先住民(インディアン)の村がある。人口は360人程度で、住人の大半がインディアン。彼らはベーリング海が陸地でつながっていた時代に、アジアから北米に入ってきたといわれている。
オールドクローは今でも道路が通っていないユーコンでも珍しい集落で、人々は飛行機を使って行き来しなければいけない。
オールドクロウにカリブー(北極トナカイ)の季節移動を見に行こうと思って、州都ホワイトホースから飛行機に乗ったのは良く覚えている。
住む場所もよくわからないまま小さな飛行機を何回か乗り換えてついたのが小さな村。ついたのはいいがどうしたらよいのか。
まわりの人ととりあえず話し、一人の人を紹介される。彼が家を後の5週間にわたって貸してくれチャーリー。そして家探しをしているときに話した一人がスティーブだった。
長身で、少しやせこけた彼に、最初はたいした印象はなかった。彼はハンティングの小旅行から、帰ってきたばかりで、村の外れに自分の小屋があるという。そこに今度行くときに、泊めてやってもいいといっていた。
結局彼と何のコンタクトがないまま最初の2週間が過ぎた。
カリブーはツンドラの向こうから、ある日突然何の前触れもなくやってきた。一緒に狩りに連れて行ってくれた一人の村人と、最初の2週間は原野を共にした。初めて見るカリブーの群れ。最初は5匹ほどの群れを何回か見たはずが、日が経つにつれ数が増えてきた。
霧の中を駆け抜けてゆく何頭ものカリブーは神秘的かつ壮大だった。2,3千頭ははいたと思う。群れを追って、進み、そしてライフルで射る。内臓をとりだし、肉を村に持ち帰る。待ち遠しくまっている、古老に肉をあげる時の喜び。自分が獲ったのだという誇り。はたから見ていて少しうらやましかった。
2週間が経ち、少し変化を欲しがっていた頃にスティーブが現れた。カリブーハンティングにいくが一緒に来たいか。二つ返事でいく。
彼のハンティング、そして解体は今までみた人とは違った。狙いを定め、オスだけをきれいに射抜く。そして解体の美しさ。一つ一つの動きに無駄がなく、食べることのできる内臓も、きれいに胃袋の中にまとめ、持ち帰る。
何もなかった時代の記憶。人々がまだ飢え死にしていた、たった50,60年前の記憶。カリブーがこない年=食べ物がない=飢え死に。当たり前のことだが、今の生活からは想像できない現実を生きていた彼の若き頃。話す言葉一つ一つに歴史、体験、そして感情がこもっていた。
村から50km程外れたところに彼のキャビンがある。氷始めた川の上を、雪、氷の張りを見ながらスノーモービルで進んでゆく。外はもう、10月なのにー25度だった。
当時74歳の彼が、自分の前に立ち、氷を張りを読んで進んでゆく。当然、読みを誤れば二人とも川の底に。おそらく、2,3分も持たないだろう。原野から学んだすべての知識を使って、凍える氷の上を進んで行く彼の姿は、今までみたどの74歳の人よりも頼もしかった。
周りにないもない原野にぽつんとたたずんでいるスティーブのキャビン。ここにはあの星野道夫さんも泊まっていったといっていた。不思議な気分だったが、星野さんの丸字でかかれたサイン付の写真集をみせてくれては、なつかしそうに彼のことを話していた。いかにいい人で、熊に殺されたことがいかに悔しかったか。事故の新聞の記事までも後日みせてくれた。
キャビンを基地にして、彼はどこからきたかもわからない自分に、彼の知識、体験を分かち合ってくれた。このあたりで狼を獲ったこと。夏はここに来てカヌーをこぎながら生活をすること。変わり行くインディアンの暮らしの中で、昔ながらの生活、いいかえれば、原野にいないと落ち着かない、原野では血が騒ぐ気質を持ったのがスティーブだった。
カリブーを獲り、動物をワナで捕まえる。そしていかに解体し、料理するか。ひとつひとつが強烈で、新鮮な体験だった。初めて自分の手で、動物を殺したのもこのときが初めてだった。
結局彼のキャビンには2回行った。その度に、昼はワナを仕掛け、夜は薪が燃える音と共に、ろうそくの光で、トランプをし、そして寝る。朝になるとワナをチェックしにゆく。シンプルな暮らし。
当然水も、凍った川の氷をわって、毎朝汲みに行かなければならない。夜は用を足しに、凍りつく外の世界へでてゆく。オーロラが出ていた夜はよく覚えている。
音がない世界とはあのことをいうのだろう。時折聞こえるふくろうの鳴き声。そして、どこからとも聞こえてくる音。この音はなんだろうとおもって耳をすますと、うそみたいな話だが、自分の鼓動だった。
あれから2年。後に電話で何回か話し、自分の住む町、州都ホワイトホースで何回か時間を共にした。バーで一緒に飲んでいても、やっぱりあの無限の広がりのある原野での、スティーブが一番彼に似合っている。
2週間前、オールドクロー出身の若者から、知らせがあった。ずっと一緒に付き添った、スティーブの奥さんがなくなったらしい。癌とは知っていたが、ついに時が来た。
彼は、葬式で、泣き崩れていたらしい。電話をしたい。でもどんな言葉をかけれるのか。なんといったらよいのか。
いまだに電話ができない。
もうすぐカリブーの季節がくる。今年もまた毎年のように村をとおり過ぎてゆく。
今年スティーブは狩りにでるのだろうか。

"Migrating Caribou" <霧の中を移動するカリブー。あの頃の思い出>
theme : 思ったこと、考えたこと
genre : ブログ




