映画アース

12日に公開された映画アース。早速見てきました。

BBCによって撮られた映像だけあって、とても美しい映像ばかりです。

白熊の上からのアップショット、カリブーを追いかけるオオカミが印象に残りました。
神の様な視点で捉えたものがおおかったのも特徴的です。

莫大なお金と時間を使った撮られた映像の数々。去年カナダでこの映画の撮影様子が流されていたのですが、カメラマンの忍耐力は半端ではありませんでした。

お金をふんだんにつかっても、やっぱり最後はそれを使うクルーの力。それがあって初めてあのような映像ができあがったんだと思います。

究極のプロ集団が、何日もかけて撮った映画アース。おすすめですよ。

Hoshino's Alaska

ホワイトホースのダウンタウンに、素敵な本屋さんがあります。

別に用事がないときでも、なんとなくはいってしまうような本屋さん。

本を買わなくても雑誌、新しい本などを立ち読みするのが楽しみです。


写真集のコーナーに新しい本がありました。

タイトルは、Hoshino's Alaska。

星野道夫の英語版の本です。


今まで彼の英語で書かれた本は、初期のものしかありませんでした。

アラスカと極地を全体的に捉えた彼の視点を、こっちの人はどう思うのかな。

時折そう思いながらも、彼のことを英語で書かれたしっかりした本がありませんでした。

そんな中見つけた今回の本。買いはしませんでしたが、彼の考え、エッセイがいくつか英語に翻訳されて載っています(お金が手元にあれば買いたかったですが)。


被写体が同じでも、捉えている世界が北米の写真家とは、ぜんぜん違います。

写真や文章を支えている世界観。根底の世界観が出てくるから、それぞれの作家の作品は違ったものになるのでしょうね。


今度行くときは、立ち読みはやめて、ちゃんと買ってきます。

Hoshino.jpg


<日本のアマゾンにも売ってますよ!>

theme : やさしい洋書
genre : 本・雑誌

ウルルン ユーコンにて

時間が経つのが早くてすっかり忘れていました。

1月21日、ウルルン滞在記でユーコンが映し出されるそうです。

http://www.canada.or.jp/tv/index.html

この番組、ここユーコンで収録されたのですが、時間の経過と共に忘れてしまっていました。

“ウルルンが来るからドライバーとして仕事をしてください。”そう言われたのが去年の暮れ。

正直普段からあまりテレビを見ないほうですが、ウルルンと聞くとさすがに興味深々です。

ホテルのロビーにいくと、ディレクターさんとカメラクルーさん達にまじって小柄の女性がソファに座っていました。それが今回ユーコンで犬ぞり、そして罠猟を体験する女優さんでした。小柄で素直そうな若い女性という印象を受けたのを覚えています。

外はマイナス20度ほどだったので、正直この女優さんが外で大丈夫かなーと余計な心配をしましたが、結果は実は私も知りません。

関わったのは最初と最後に運転ドライバーとして撮影地まで行ったのと、少し撮影の様子を見たぐらいです。(出ているとしても髪の毛ぐらいでしょう。。。)

結局、彼女達が滞在している間はマイナス30度をさらに超えた寒い日が続いていました。東京の大都会で育ったという女優さんがユーコンの冬の原野で犬ぞりをする。どうなっちゃんたんでしょう?テレビを見てからのお楽しみですね。

見られた方、よろしければご感想を聞かせてください!

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"Getting Ready" <出発間近の犬達>

荒野へ My 本棚

今日ある本が、机の上にポンとおかれていた。

何年も昔に読んだ懐かしい本。

"Into the Wild" By Jon Krakauer.

日本語で"荒野へ"と訳されて出回っている。

4087732665.09._SCMZZZZZZZ_[1].jpg


http://www.amazon.co.jp/gp/product/4087732665/sr=1-1/qid=1158719578/ref=sr_1_1/250-1604658-6439441?ie=UTF8&s=books

内容は、上のサイトに簡潔にまとめられている。

”1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死している彼の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、二年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか?クリスは、所有していた車と持ち物を捨て、財布に残った紙幣を焼き、旅立つと、労働とヒッチハイクを繰り返しながらアメリカを横断、北上し、アラスカに入った。著者のクラカワーは、大学卒業後のクリスの人生を追いかけ、その時々にクリスと触れ合った人びとを捜し出してインタヴューし、彼の心の軌跡を検証する。登山家の著者にとって、クリスの精神は理解できないものではない。また荒野に魅せられた人びとというのは、昔からいて、さまざまな作品や記録が残っている。こうした精神史や自らの体験も踏まえ、共感と哀惜の念を込めて、クリスの身に何が起こったのかを描き出す。出色のノンフィクション。”


この本を読んだのは、アメリカに行っていた98年。どのようにこの本を手に入れたのかは覚えていないが、強烈な印象を受けたのはよく覚えている。

当時自然とは程遠い環境の中で、勉強をしていた自分にとって、この本はなにか心の奥底にずっとしまわれていたものを激しく掻き立てた。

だれでも社会の中では程度の差はあれ、仮面をかぶって生きる事を要求される。その仮面と本当の素顔の間に大きなギャップが出来ると、人間は苦しくなるのではないか。”社会の成功”を捨て、ひとり自然の中へ入ってゆく。社会システムからの助けがない中で、向き合う自分。
本の中に登場する、クリスという若者に強く共感した。

<自分とはなんなのか><自然とはいったい><自分はどんな生活を求めているのか>

だれでも一度は思う疑問。はたから見れば順調にいってるような生活の中で、なにか心にひっかかるものがあった当時。自分の本当の想いをこの本は一気にかき回し、自分に問い詰めてきた。

本来であれば、順調に留学を終わらせて、ある程度決まっている道に進むことが現実的だった。でも、一度持ってしまった疑問。何かが違うという違和感。これをいったん感じてしまうとそれと共に生きていくには思った以上にエネルギーが必要となる。

<大学を辞めて、旅に出よう>今から考えると単純だけれど、そんな思いを持って退学をしようとしたけれど、結局は周りに猛反対され、そのまま勉強をし続けた。結局それはそれで有意義な生活になり、今にも役立つことになったのだが、やはりその後も何か違うと思いは消えなかった。

何年か過ぎ、遠く迂回してやってきた、アラスカの隣のユーコン準州。
<ただ広がる原野> <深いしわが刻まれた原野に生きる人々> <食料のための狩猟>。

もうこの本のことは忘れていたが、ここに昔から求めていた生活がまだあった。

理想と現実の折り合いが不思議とうまくついたのが、このユーコン。当然、全て自分の好きなことをしては生きていけないけれど、自分が求めた時間を過ごす事が、この土地ではできる。湖で漕ぐカヌー。マイナス25度の雪の上を共に走る犬ぞり犬達。誰もいない夜に見上げるオーロラ。動物を追って、原野を共に歩く友人。

ここでも時には仮面をかぶることも必要だけれでも、社会の中でも素顔を出していきやすい。そして文明を離れるとそこは原野。誰もいない。仮面も必要ないし、嫌でも自分と向き合うことが要求される。

結局間違ったものを食べて死んでしまったクリス。地元アラスカの人からは、無謀な何も知らない若者とどこかで馬鹿にされ、そして都会で育ったアメリカ本土の若者からは賞賛の対象とされている彼。彼がもし生きて原野から.帰ってきたら、後にどんな生活をしていただろうか。。

この本がなければ、ひょっとするとこのユーコンにはめぐり合っていなかったもしれない。自分にとってはそれだけインパクトのある本だった。

今年アラスカであった、一人のバスドライバーがいる。彼はこの本の映画撮影に去年の冬かかわったと言っていた。どんな映画が出来上がるかは分からないが、世に出たら必ず見に行きたいと思う。

文明と自然。人間の幸せ。現代にとって、大切なメッセージが含まれているからこそ、この本は今でも売り続けているのだろう。

theme : オススメ本!!
genre : 本・雑誌

星野 道夫 

今年で没後10年目。極北にいる日本人にとっては,
いまだに大きな存在である星野道夫


ここで暮らすものにとって、アラスカであろうと、ユーコンであろうと、彼の言葉、そして写真は心に響きます。

さて、My 本棚シリーズ、今回から始めます。 日本ではあまり紹介されていない本を、極北、自然、写真などを中心に、簡単に紹介していきたいと思います。自然に英語の本が多くなってしまうと思いますが、暇があったら買ってみて、じっくり読んでみてください。意外な発見もたくさんあるかもしれません。

記念すべき第一弾は、星野道夫がらみの本を。

"Tracks of the Unseen"

-Meditation on Alaska Wildlife, Landscape and Photography-

By Nick Jans

"トラック オブ アンシーン"

  -アラスカの野生動物、風景、写真についての考察-

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http://www.amazon.com/Tracks-Unseen-Meditations-Landscape-Photography/dp/1555914489/sr=8-1/qid=1157950514/ref=sr_1_1/102-4758559-0935317?ie=UTF8&s=books


こちらの本、自分が好きな作家、ニックジャンによる本です。
彼の名前は星野道夫の本の中でも出てきました。たしか、コバック川を一緒に旅していたと思います。その頃は作家志望の先生だったみたいですが、今では立派な作家として活躍しています。

この本全体が星野道夫にささげられていて、最後の章は、”Picture For MIchio"(道夫のための写真)なんてタイトルまでついています。

少し長くなりますが、引用します。

”道夫がなくなってから2年になる。それ以来この場所には毎年秋になると戻ってきた。ここが、彼の思い出が一番残っている場所だからだ。この同じ(カリブーの)頭蓋骨の前で、彼はひざまづいた。そして、同じ青い丘には、太陽に引き裂かれた雲が低く停滞していて、視界をさえぎっていた。道夫が、いつものようにアクセント交じりの声でいう。(ニックを音楽のように発音して)ニーク、ここで待たなきゃ。ものすごくきれいでしょ。”

何時間もまち、落ち着きがなくなってきたニックにまたいう。ニーク、いい写真を撮るためには、注意してみなければいけないんだ。すべてを見ることができなければいけない。

基本的に作家のニックは、星野道夫のカメラマンとしての忍耐力、そして精神力を尊敬しながらも、彼の人間的な面を、愛情をこめながら紹介しています。彼の中にでてくる星野道夫は、星野さんと呼びたくなるようなあまりにも人間的で、ふつうの失敗もするごくごく普通の人。その一方で彼しかできなかった偉業、そして人を安心させる人柄がやさしくつづられています。

次の一文が、ニックジャンのみる星野道夫観を良くあらわしていると思います。

”あれがこの男の根本的なパラドックスだったのだろう。厳しい環境で、時には危険な存在となりうる動物を撮っていた写真家で、広がる、寒い大地の下で、身体的にどっぷりと厳しい環境につかっていた。そうしながらも子供のような純粋な目をもちながら、しっかりとしたビジョンをもって、この土地のエッセンスを捕らえていった。”

この土地で生きていく者への尊敬。彼のカメラマンとしての資質。そしてなによりも純粋なビジョン。それが彼を際立たせたのだろうといっています。

今となってはもう会って話すこともできない彼。できれば生きているうちに会いたかったですが、彼が残していったもの読みながら、日々新しい現実を生きてゆく。それができるだけでも幸せなのかもしれませんね。

極北に住む事によって、今まで見えてこなかったものが彼の文章から読み取れます。自分の経験から、そして知識から、彼の残したものと照らし合わせてゆく。それが一つの楽しみでもあります。

この本は、今年、フェアバンクスの古本屋でたまたまみつけました。是非、翻訳されて欲しい本のひとつです。

theme : 紹介したい本
genre : 本・雑誌

プロフィール

上村知弘 Uemura Tomohiro

Author:上村知弘 Uemura Tomohiro
<活動状況>


・2008年9月18日〜10月3日
<終了>
東京都美術館(上野公園内)
第9回21世紀美術連立展出展 


・2008年10月1日〜10月31日
釧路シルバーシティーときわ台ヒルズ
個展 WILD NORTH 開催中
10月5日 14:00 オープニング会<終了>

・2008年10月9日 東京にて講演  
極北の大地と野生動物に魅せられて
 
・2008年11月20日 札幌にて講演


<極北自然写真サイト>

www.wild-world.com

<連絡先>
自然写真サイト
www.wild-world.com
内の連絡フォームから
お願いします


<プロフィール>

1978年生まれ、神戸育ち

立命館大学, American University(Washington.D.C)
国際関係学部卒業


大場満朗冒険学校などを経て、2004年カナダ、ユーコン準州へ渡る

アウトドアガイド、オーロラガイドをする傍ら、3年間ユーコン、アラスカの自然を撮影

2007年秋、カナダより帰国。北海道鶴居村滞在中

極北と北海道を行き来し、写真撮影に取り組む

将来、カナダ移住予定

<趣味>
読書、シーカヤック、合気道

<夢>
ヨット生活、北極、極北一周の旅
カナダユーコンから北海道への海の旅
子供へのアウトドア教育

<活動歴>

2008年7月 釧路NHKギャラリーにて個展開催

2008年9月 東京美術館 NAUグループ展参加

2008年10月 釧路シルバーシティーにて写真展開催中

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